研究概要 |
本年度は、鹿児島大学教育学部の丹羽佐紀助教授を中心として、第4番目の対象テクスト『ダビデとベテシバ』の訳出を継続するとともに、解題作業を進めていった。他方、既に訳出済みであった『ゴーボダック』、『キャンバイシーズ』、『アーサー王の悲運』の3作品のうち、『キャンバイシーズ』については、鹿児島国際大学経済学部の山下孝子助教授が注釈・解題作業にあたり、「トマス・プレストン作『キャンバイシーズ』-翻訳と注解-」『鹿児島経済論集』第46巻第4号(2006),pp.387-474として公刊した。また、『ゴーボダック』については鹿児島国際大学国際文化学部の小林潤司助教授が、『アーサー王の悲運』については鹿児島大学法文学部の大和が、それぞれ注釈・解題作業にあたって参照となる文献および資料の収集に努めつつ、作品の注釈・解題を含めた編集作業を行い、原稿化(パソコン入力)を完了し、『平成15年度〜18年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究成果報告書』として公刊した。その章立ては、1.[序論]英国ルネサンス演劇の翻訳の現在(大和高行)、2.[翻訳]トマス・ヒューズほか作『アーサー王の悲運』(1588)(大和高行・小林潤司・山下孝子・丹羽佐紀)、3.[翻訳]トマス・ノートン、トマス・サックヴィル作『ゴーボダック』(1561)(小林潤司・丹羽佐紀・山下孝子・大和高行)、4.[解説]『アーサー王の悲運』(1588)(大和高行)、5.[解説]『ゴーボダック』(1561)(小林潤司)、6.[補論]「連鎖する修辞:『ゴーボダック』とインナー・テンプル降誕祭祝典」(小林潤司)である。更に大和が、本翻訳プロジェクト研究の副産物として、研究ノート「王政復古期の英国歴史劇に見られる歴史的人物の(再)表象」をShakesoeare News (The Shakespeare Society of Japan),46:3(2007),47に発表した。
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