研究概要 |
主研究テクストとなる『Poetry』誌、『The Little Review』誌両誌の作品と記事内容を再チェックした。さらに、両誌に参加した投稿者たち(具体的にはHulme, Ford Madox Ford)の作品、伝記、書簡集などを新たに精査した。これに並行して『Poetry Review』誌の同時期の刊行号から、現在の文学史から忘却されたマイナー芸術家たちの、当時における役割を掘り起こす作業も進めており、Allen Upwardの再評価を進めている。国外調査として、英国のBritish Library蔵書によって、日本国内で欠本となっている『The New Age』誌の追加調査を行ない、同時にヨーク大学でBerthoud名誉教授と意見交換をした。特にHulmeとFordに関する調査結果により、パウンドの詩観のみならず、メディア観の形成における影響関係(反発も含め)が顕著であることが再確認され、これを当時における「古典主義ディスコースの流通」という視点から、論文:「初期モダニズムの中の『古典主義』…Pound、HulmeとFordの詩的探求…」として青山学院総合研究所人文科学研究センターより発表することが決まっている(2004年3月31日発行)。
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