研究概要 |
1.18・19世紀イギリス帝国支配、植民地支配とロマン主義文学との関係性を解明しようとする拙者の研究の一環として、東インド会社の中国広東地方との交易、大英帝国の東アジア支配に関する資料収集を、2004年8月の二週間、イギリス、ロンドン大学、東洋アフリカ研究所(SOAS : School of Oriental and African Studies)において行った。 2.「Coleridgeと中国庭園('jardia anglo-chinois')」と題し、2004年10月17日、イギリス・ロマン派学会、第30回全国大会(会場:京都大学)において研究発表を行った。当時のシノワズリーとしての中国庭園の政治性とGeorgeIII派遣による大英帝国初の対中国Lord Macartney全権大使による報告書を手掛かりに、Coleridgeの批評、講演、詩作品を分析した。 3."Coleridge and the Orient : The Transformation of a Discourse of Otherness"と題する英文の論文を、イギリス・ロマン派学会創設30周年記念論文集に投稿し、受理され、Voyage of Conceptions(邦題『思索の旅』)として2005年3月末に出版された。東洋という他者に対する言説の変容を、ロマン主義文学はもとより、1770年から1830年の間に書かれた様々なテキスト(William Jones, Edmund Burke, James Mill, Thomas M.Macaulay)の中に読み解き、イギリス帝国支配、植民地支配の質的な変化を探求したものである。
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