1.18-19世紀イギリス帝国支配、植民地支配とロマン主義文学との関係性を解明しようとする拙者の研究の一環として、当時の航海記録や旅行記など大英帝国支配や科学的探求に関する資料収集を行った。またそれらの記録や旅行記に関連する文学テキストの分析を行った。 2.1770年から1830年の問に書かれた批評書、新聞記事、この間になされた講演の中で東アジアにおけるイギリス帝国支配に関する資料とロマン主義文学との関係性を考察し、さらにそれぞれの事象に関わる被帝国支配者側の記録を分析することを試みた。 3.上記の資料を国内の大学図書館はもとより、平成16年においてはロンドン大学、東洋アフリカ研究所(SOAS : The School of Oriental and African Studies)にて行った。 4.研究成果を"Coleridge and the Orient : The Transformation of a Discourse of Otherness"イギリス・ロマン派学会創立30周年記念論文集(2005)、「コールリッジと中国庭園」イギリス・ロマン派学会誌29・30合併号(2006)において投稿、受理され、出版した。口頭発表については『コールリッジと中国庭園(‘jardin anglo-chinois')第30回イギリス・ロマン派学会全国大会(2004)、"Coleridge and Orient"第119回(2003)、「地球磁場と極への探求:ColeridgeとMary shelleyのFrankensteinを中心に」第128回(2005)関西コールリッジ研究会例会において行った。 5.今後引き続き、茶とアヘン貿易を巡る政治的、歴史的意義をS.T. ColeridgeとThomas De Quinceyの文学テキスト及び批評を中心に分析を試みる。また東アジア地域のみならず広域に広がるイスラム世界におけるイギリス帝国支配の展開とロマン主義テキストとの関連を分析するための資料収集を行う予定である。
|