研究概要 |
当初,今年度の目標としていたことのうち,達成したものは以下のごとくである。 (1)7月初旬,昨年に引き続きドイツ・ハイデルベルグにて開かれた第2回国際タミル詩論研究ワークショップに参加し,1週間にわたり『トルハーッピヤム』第3部(詩論部分)第1章の訳注研究に従事した。なお,昨年度の第1回ワークショップで扱った詩論の訳注研究(英文)はほぼ完成しており,共同出版したいとの申し出があったが,筆者には満足の行くものでないため辞退した。 (2)古代史および文学の発生の問題との関連で,万葉古代学研究所(橿原市)の共同研究員として同所主宰の3度(5,8,11月)の共同研究に参加した。 (3)マドゥライ大学所蔵写本のデジタルコピーの入手については,過去2年果たせなかったが,本年度ようやくにして現物を得ることができた。内容の検討は,現段階では完了していない。 (4)諸刊本・写本の間の異読をもとに基本テキストの作成を完了する予定であったが,上記写本の入手が本年度半ばになったので,その分は現在作業進行中であ。 反面,目標としながら,『トルハーッピヤム』の初期刊本の調査に大英図書館およびフランス国立図書館を訪れる予定であったが,諸般の事情で実現できなかった。これは,今後の課題とする。
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