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2004 年度 実績報告書

印度大説話集ブリハットカターの起源と展開

研究課題

研究課題/領域番号 15520214
研究機関東京大学

研究代表者

土田 龍太郎  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20163826)

キーワードブリハットカター / ブリハットカターシュローカサングラハ / ヴァスデーヴァヒンディー
研究概要

ブリハットカター(BK)諸傳本のうち、ブリハットカターシュローカサングラハ(BKSS)はネパール伝本であり、ヴァスデーヴァヒンディー(VH)はジャイナ伝本である。このBKSSとVHがともに主人公が一人称叙述によってみずからの戀の冒険を語るという構成をとり、説話内容も互いによく對應し、全体として現在失われた原BKの特色をよく留めているものであることは従来指摘されている。
しかし、本年度の調査により、VHはBKSSに比べBK主要部の説話が簡畧であること、したがって原BKの内容を細部にわたって知ろうとするときは、VHよりはむしろBKSSを基礎にするべきことが確認された。
さらに本年度の調査により、VHとBKSSがともにガンダルヴァダッター説話を収め、しかもこの説話がタミル語説話集たるジーヴァカチンターマニとほぼ同じ内容のものである事が判明した。
つまり、主としてサンスクリット語とプラークリット語で現在まで伝えられてきたBK主要部が南印度のドラヴィダ語説話文学の伝統とともかなり密接に連関している事が確認されたわけである。
また、BKSSは散文で著はされた原BKを韻文で要約したものであるが、この要約の際に、多少の混乱が生じ、ところどころで物語の筋の上で矛盾を含むものとなっていることが明らかとなった。
したがって主人公と妃の恋愛と結婚および妃の失踪について精査するときは、BKSSとVHばかりでなく、やはりカシミール系諸本、特にカターサリットサーガラを参照せねばならぬことが確認された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 初期仏教家族倫理と婆羅門法2004

    • 著者名/発表者名
      土田 龍太郎
    • 雑誌名

      日本仏教学会年報 69

      ページ: 1-12

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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