研究課題
基盤研究(C)
本研究は、研究成果の有効な利用方法の一つとして、付加価値を持つデータベースの構築方法を考察・実践することを目的としたものである。「付加価値を持つ」とは、研究の過程で作成された資料や研究成果などを、基本となるデータベースに付与してゆくことにより、常に発展・充実させてゆくことができるものを言う。長年研究対象としてきた『説文解字繋傳』(以下小徐本と略称する)を題材として研究を進めた。字形そのものに大きな意味のある小徐本のような書物を扱う場合、検索結果などを常に底本の画像で確認できる環境を構築することが不可欠である。そこで、底本を電子化するとともに、底本の画像化を進め、「検索可能な文字画像」(http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~tomo/svg/)という手法を用いてその両者を関連付けた。このようにして常に文字データに対応する画像データを参照することが可能なデータベースを作成し、それを基本データベースとした。更に、小徐本に引用される経書のうち、本研究では『詩経』の引用とその出典情報をデータベース化し、それを基本データベースに関連付けて、検索結果の表示内容をより充実したものにした。これにより、データベースに付加価値を持たせると同時に、更にそれを充実したものにするための方法の一つを提示することができたと考える。なお、本研究では、データは全てテキスト形式になっており、その編集作業には、多様な種類の文字が利用できるXEmacs CHISE(http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/projects/chise/)を主に利用した。また、それぞれのデータを関連付けるために必要なマークアップには、論理構造にはTEI(Text Encoding Initiative)を、視覚的構造にはSVG(Scalable Vector Graphics)を用いた。
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