今年度は、明治・大正・昭和初期に日本で活躍した西洋近代文芸論の翻訳・紹介者のうち、中国語に翻訳された著作のある片上伸(1884.2.20〜1928.3.5)片山孤村(1879.8.29〜1933.12.18)山岸光宣(1879.2.3〜1943.10.1)小池堅治(1878.4.9〜1969.4.24)三井光彌(1890.6.3〜1952.9.2)成瀬無極(1884.1.1〜1958.1.4)北村喜八(1898.11.17〜1960.12.27)板垣鷹穂(1894.10.15〜1966.7.3)今東光(1898.3.26〜1977.9.19)三宅幾三郎(1897.10.15〜1941.5.1)十一谷義三郎(1897.10.14〜1937.4.2)鶴見祐輔(1885.1.3〜1973.11.1)長谷川如是閑(1875.11.30〜1969.11.11)昇曙夢(1878.7.17〜1958.11.22)宮島新三郎(1894.1.28〜1934.2.27)長谷川天渓(1876.11.26〜1940.8.30)千葉亀雄(1878.9.24〜1935.10.4)上田敏(1874.10.30〜1916.7.9)の中国での資料収集に努めた。そのうち特に、自然・写実主義文芸理論については、昇曙夢著『現代ロシア文芸思潮』(陳俶達訳『現代俄国文芸思潮』)と片山孤村著「自然主義の理論及技巧」(所収『最近独逸文学の研究』、魯迅訳「自然主義的理論及技巧」)を、表現主義文芸理論については、山岸光宣著「表現主義の諸相」(所収『印象より表現へ』、魯迅訳「表現主義的諸相」)と片山孤村著「表現主義」(所収『現代の独逸文化及文芸』、魯迅訳「表現主義)を、西洋近代文芸流派・思潮全般については、上田敏『現代の芸術』(豐子かい訳『現代芸術十二講』)を中心に分析を行なっている。
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