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2003 年度 実績報告書

本邦近世校勘資料に残存せる唐詩旧鈔本本文の集成

研究課題

研究課題/領域番号 15520229
研究機関九州大学

研究代表者

静永 健  九州大学, 大学院・人文科学研究院, 助教授 (90274406)

キーワード唐詩 / 白居易 / 杜甫 / 白氏文集 / 校勘資料 / 古筆 / 旧鈔本 / 那波道円
研究概要

本研究は、我が国近世(おもに江戸〜明治時代初期)の書籍に「書き入れ」の形で目睹される唐詩本文の字句校勘資料を博捜し、後学の便宜のために、その集成データを構築することを目的としている。特に唐の詩人白居易(白楽天)の詩文集『白氏文集』についての校勘データの集成をこの4年間の最終的な成果として提出することを目指している。
『白氏文集』は、我が国17世紀初頭に京都の儒者那波道円による銅活字印刷本が出版されたが、この版本の現存のものの幾つかについて興味深いのは、それらの行間および欄外に書き入れた「旧鈔本」(平安〜鎌倉時代の古本:古筆)の本文校勘資料である。本年度は、(1)東京・尊経閣文庫所蔵本(天海旧蔵)、(2)名古屋・蓬左文庫所蔵本(細井平洲旧蔵)、(3)東京・宮内庁書陵部所蔵本(紀州水野忠央旧蔵)、(4)大阪天満宮所蔵本(屋代弘賢旧蔵)、(5)東京・大東文化大学所蔵本(旧蔵者不明)の五種の『白氏文集』を目睹調査、同時にその影印をマイクロフィルムもしくはコピーを入手した。来年度も引き続き他の地域に所蔵される『(書き入れ本)白氏文集』の調査、データ収集につとめたい。
なお、以上の調査データの価値を裏付けるためには、現存する『白氏文集』旧鈔本の調査も必要となる。研究代表者静永は、本年度、その中の貴重な一本である東京国立博物館所蔵「白氏文集巻六十六」残巻を調査、その結果を本報告書裏面所掲の諸論文において公開した。来年度は、内閣文庫蔵「白氏文集管見鈔」等にもその考察を広げる予定である。
また、我が国に深い影響を与えた唐詩として、白居易とともに、杜甫の詩歌が挙げられる。日本における読唐詩の歴史を通覧するためには、等閑視できない事項である。「日本における杜甫詩読書の歴史」については、本研究の一環として、来年度そのデータの公開を開始する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 静永 健: "東京国立博物館蔵古筆残巻「白氏文集巻六十六」の本文について"日本中国学会報. 55. 226-239 (2003)

  • [文献書誌] 静永 健: "東京国立博物館蔵古筆切「白氏文集巻六十六」影印・翻字・解題"白居易研究年報. 4. 197-237 (2003)

  • [文献書誌] 静永 健: "「衛公宅静閉東院」考-白居易新楽府牡丹芳私注-"中唐文学会報. 10. 48-56 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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