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2004 年度 実績報告書

ルクセンブルク語の標準化をめぐる問題

研究課題

研究課題/領域番号 15520249
研究機関愛知教育大学

研究代表者

田村 建一  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90179896)

キーワードルクセンブルク語 / 言語政策 / 言語の育成
研究概要

今年度の調査目的は、使用領域の拡大にともなって増大しつつあるドイツ語からルクセンブルク語(以下L語)への影響をルクセンブルク国民がどのように意識しているか、という点にあったが、その後、インターネットを通じて、外国人に対するL語教育などのL語振興の活動を行っている市民団体(Projet Moien)の存在を知り、2004年はそこが主催する夏期集中コース実施の最終年にあたることが分かったため、急遽、調査の重点をこの団体の活動に置くことに変更した。ドイツ語からL語への影響に関しては、今回は各人へのインタビューの中で確認するにとどめ、詳細な調査は次年度に回すことにした。
9月6日から21日までの二週間、ルクセンブルクに滞在し、各地で実施されている外国人向けL語コースのうち三つのクラスに自ら参加し、受講生へのアンケート調査(学習の動機、L語の必要性等)と教師及び主催団体代表者へのインタビュー(教育方法、資格や研修の制度、コースの目的、実効性等)を行った。アンケート(回答者20名)とインタビューから、受講者の多くが仕事の上でL語知識の必要性を感じていることが分かった。特に医療・福祉関係の職場ではL語能力が要求されるとのことである。この国では外国人(人口の4分の1)はL語を話せなくとも充分に生活が可能であると言われているが、その一方でL語の「統合の軸」としての機能も浸透しつつあることが確認できた。
他にリセ(日本の中学・高校に相当)のL語担当教員2名と国立文学センター所長へのインタビューを実施した。この三人には、生徒たちが何歳頃からL語を書き言葉として使用し始めるのか、など若い世代のL語使用の実態について訊ね、その結果、L語授業の時間不足のために、独学で正書法を学ばない生徒はドイツ語式の綴りでL語を書いたりすること、またそうした誤った綴りがメール等を通じて他の生徒にも広がることが分かった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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