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2003 年度 実績報告書

南スラヴ語史の考察-14-15世紀の言語とその文化史的背景を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 15520251
研究機関京都大学

研究代表者

三谷 惠子  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (10229726)

キーワードダルマチア / チャ方言 / 中世ボスニア王国 / ポーリツァ
研究概要

本研究は、バルカン半島北西部から中部にかけての中世南スラヴ語史を、その文化史の中に位置づけながら明らかにしょうとするものである。
今年度はクロアチア、ボスニア、セルビアの14-15世紀の文献資料の内容分析とその歴史的背景について考察した。まず、クロアチアの古チャ方言グラゴール文字ならびにラテン文字文献における言語特徴の分析の一つとして、動詞完了形が過去時制の意味をあらわすようになった過程を明らかにした。この研究は2003年8月にスロヴェニアで開催された第13回国際スラヴィスト会議で口頭発表した。また、中世から近代初期にいたる400年間に渡りダルマチアに存続したポーリツァ公国に注目し、その歴史と周辺地域との関係、そしてこの公国が15世紀中期に作成した法令集の分析に着手した。ポーリツァは、沿岸都市スプリトの後背地を含むわずか200キロ平方メートルほどの範囲の地域で、上位権力としてはハンガリーあるいはヴェネツィア共和国などに支配されながらも、内政については完全な自治権を持ち、独自の行政制度を施行したユニークな自治公国であった。この地域が発行した法令集はキリル文字で書かれており、中世セルビア王国ならびにボスニア王国との深い文化的つながりを示唆するものである。現在、このポーリツァの法令集の言語分析を進めながら、この地域と周辺地域すなわちスプリト以南のダルマチアの諸都市、内陸部のボスニア・ヘルツェゴビナ、さらにはビザンツ帝国やオスマン帝国などとの関係、を探っている。ポーリツァを一つのキーとして、次年度さらに本研究の課題を遂行していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] MITANI Keiko: "Perfect u starocakavskom jeziku : Uporaba i gramaticko znacenje u srednioviekovnim tekstovima"Comparative and Contrastive Studies in Slavic Languages and Literatures. Japanese Contributions to the 13^<th> ICS. 39-56 (2003)

  • [文献書誌] 三谷惠子: "完了形と過去時制-古チャ方言の用法に見る南スラヴ語の動詞体系の変化"Dynamiz(京都大学大学院人間・環境学研究科、文化環境言語基礎論講座論集). 7. 26-40 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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