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2004 年度 実績報告書

名詞表現の統語論的・意味論的・語用論的対照研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520258
研究機関広島大学

研究代表者

吉田 光演  広島大学, 総合科学部, 教授 (90182790)

キーワード名詞句 / 指示 / 統語構造 / 決定辞 / 数量表現 / 意味論 / 総称性 / 言語間パラメータ
研究概要

1.英語やドイツ語の名詞句内の数量表現・度量詞について,部分表現,擬似部分表現(2 liters of water)と複合名詞(2 degree water)を調査した。Schwarzschild等の先行研究は,擬似部分表現では単調測定のみが可能,複合名詞では非単調測定のみが可能であることを指摘するが,この特性を新たに複数性の角度から考察し,名詞内部では束が形成されずに非単調となり,束が作られる名詞句上位の数量詞句領域では単調測定になることを明らかにした。この成果を日本独文学会32回言語学ゼミナールで口頭発表した(橋本将,吉田光演の共同発表)。
2.日本語の複数形「たち」の意味を分析した。先行研究は「たち」を定性・不定性の観点から分析するが,「たち」は名詞範疇である固有名詞と普通名詞を項とする限定詞表現であり,それが修飾する名詞の意味(固有名詞なら意味タイプe,普通名詞なら述語タイプ<e,t>)を変えない。「NPたち」は,「その名詞の指示要素yの関連集合Ayの最大元の集まり(複数)」を意味し,定性または不定性は「たち」の内在意味ではないことを明らかにした。この成果を日本言語学会129回大会で口頭発表した(橋本将,吉田光演の共同発表)。
3.「恐竜は絶滅した」等の総称文における種を指示する名詞句を分析した。Chierchiaらは,日本語タイプの名詞は種を指示する個体表現だと主張するが,日本語名詞句にも単数可算名詞と質量名詞の相違があること,複数形態素があることを示し,日本語の名詞は意味的には述語タイプ表現であるが,タイプ変換の適用によって,述語から種を表す項に転換することを明らかにした。この成果を「言語文化研究」30号(2004)に発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 総称文における日本語名詞句の種指示について2004

    • 著者名/発表者名
      吉田光演
    • 雑誌名

      言語文化研究(広島大学総合科学部) 30号

      ページ: 25-55.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Zur Semantik der pluralischeen Nominalphrasen im Japanischen2004

    • 著者名/発表者名
      橋本将, 吉田光演(共著)
    • 雑誌名

      Neue Beitrage zur Germanistik(JGG) 3巻2号

      ページ: 108-120

  • [雑誌論文] (In)definiteness of Japanese Plural "-tachi"2004

    • 著者名/発表者名
      橋本将, 吉田光演(共著)
    • 雑誌名

      日本言語学会第129回大会予稿集

      ページ: 201-206

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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