研究分担者 |
市川 雅己 熊本大学, 文学部, 助教授 (10212995)
佐藤 正明 福岡大学, 人文学部, 教授 (50133913)
小熊 和郎 西南学院大学, 文学部外国語学科, 教授 (70169259)
平嶋 一美 関西大学, 外国語教育機構, 講師 (30340657)
松村 瑞子 九州大学, 大学院・言語文化研究院, 教授 (80156463)
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研究概要 |
1.本研究のメンバーの母体である「西南言語対照研究会」の例会に時制・アスペクトを専門分野とする以下の研究者を招聘し,関連分野の最新の知見を得た.(2004年3月4日現在) 2003年11月22日:大久保伸子(茨城大学)「完了相を表す半過去について」Daniel Lebaud (Universite de Franche-Comte) "Elements d'analyse en vue d'une architectonique du fonctionnemnt des formes verbales du francais : etudes de formes de l'indicatif et du conditionnel" 2003年12月20日:井元秀剛(大阪大学)「メンタル・スペース理論とフランス語の時制」 2004年2月21日:田中義英(獨協大学)「現代フランス語の接続法について」 2004年3月23日(予定):春木仁孝(大阪大学),前島和也(慶應大学),塩田明子(慶應大学) 2.時制・アスペクトに関する日本語との対照研究の成果として,次の論文集を発表した. 山村ひろみ,小熊和郎,松村瑞子共著:『テンスとアスペクト-日・英・仏・西語の観点から』,言語文化叢書VIII,九州大学大学院言語文化研究院発行,総94頁. 同書の中で,山村は,スペイン語のserコピュラ文のpreterito perfecto simpleによる表出発話話時以前のある時点で主語と補語の間に等号関係が成立したことを,一方,同文のpreterito imperfectoによる表出は既定の過去時において主語と補語の間に等号関係が存在することを表すことを明らかにした.また,小熊は日本語のテO/テイル,ル/タの対立をフランスの言語学者Culioliの発話理論に基づく「概念領域のパラメータ」を応用することにより解明しようとした.さらに,松村は日本語の話法を英語の話法と対照させながら,日本語の談話では多様な形式の自由直接話法が用いられていること,日本語ではその特異な視点のために思考を引用する際も発話の場合と同様に自由直接話法的に引用が行なわれることを具体例をあげながら指摘した. 3.来年度本格的に着手する同一資料を基にした「時制・アスペクト」に関する日・英・仏・西語の対照研究のために,当該資料の選定およびそのデータ入力を開始した.その結果,2004年3月4日現在でAgatha ChristieのThe Thirteen Problemsの英語版およびフランス語版のデータ入力が完了している.
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