研究課題
平成16年度の全体にわたって、若者語対照研究の最前線に触れるため文献講読による知識の補給に意を注ぎつつ、日独両言語における若者語の音声的・語彙的・文法的・機能的特徴を、とりわけその類似性・共通性に注目しながら明らかにすることを試みた。また、携帯電話のメールテクストのコーパスを日独両言語について集積し、その分析を進めた。9月には海外共同研究者のP.Schlobinski教授と専門討議・意見交換を行って、ショートメールの日独比較に関する共同執筆原稿を完成させることができた。その過程で、話し言葉の特性が書き言葉に浸透していく様子が浮き彫りにされるとともに、全角入力を基本とする日本語携帯メールにおける顔文字の頻出にも見られるように、メディアテクノロジーが言語的特徴を条件づけていく機制が明らかとなった。上述のコーパスについては、とりわけ関西方言の関東方言との偏差を特定すべく、現在研究分担者とも協力して、その言語的特性抽出作業を行っている。研究分担者は、インターネットの掲示板における言語に注目し、日独での共通点と相違点の抽出を行う作業を進めている。研究代表者は2月にスイス連邦での国際若者語会議に出席し、ショートメールの日独テクストの比較対照と、そのメディア的規制についての報告を行った。あわせて、ブログをはじめとするニューメディアのありようが若者語に与える影響や話し言葉研究の一部でもある談話分析と若者語研究の交叉点についての概観を得た。以上のような一連の研究活動を生かして、日本語による若者語の基礎語彙表をも含む研究成果をまとめているところである。
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すべて 雑誌論文 (12件)
立教大学ドイツ文学科論集『ASPEKT』 第38号
ページ: 181-206
ドイツ語学の諸相(河崎靖他編)(郁文堂)
ページ: 141-155
Neues Jahrhundert, neue Herausforderungen - Germanistik in Asien im Zeitalter der Globalisierung (ed.by Xiao Wang) (Beijing)
ページ: 382-396
Beitrage zur Geschichte der Sprachwissenschaft, (Munster : Nodus) 14・1
ページ: 135-146
Sprachwandel und Gesellschaftswandel - Wurzeln des heutigen Deutsch, (ed.by Klaus J.Mattheier/Haruo Nitta) (Munchen : iudicium)
ページ: 245-264
Sprachwandel and Gesellschaftswandel - Wurzeln des heutigen Deutsch, (ed.by Klaus J.Mattheier/Haruo Nitta) (Munchen : iudicium)
ページ: 265-277
日本の視点からゲルマニスティクの新しいパラダイムを探る(松田和夫編)(日本独文学会研究叢書) 24号
ページ: 20-27
Variation im heutigen Deutsch : Perspektiven fur den Sprachunterricht (ed.by Eva Neuland) (Frankfurt/M.usw.: Lang) (印刷中)
ドイツ語が織りなす社会と文化(杉谷眞佐子, 高田博行, 浜崎桂子, 森貴史編)(関西大学出版部) (印刷中)
Neue Beitrage zur Germanistik (Internationale Ausgabe der Doitsu Bungkau, Munchen : iudicium) 3・4(印刷中)
Neue Beitrage zur Germanistik (Internationale Ausgabe der Doitsu Bungaku, Munchen : iudicium) 3・4(印刷中)