1、次の学会・シンポジウムなどで成果発表を行った。 (1)韓国・日本学会連合会第2回国際学術大会(7月10日、釜山)シンポジウム招聘講演 題目「日本語の境界とモンスーン・アジアという世界」 (2)台湾・大葉大学日語教育学科の招聘講演(5月12日、台中) 題目「日本語の基層とモンスーン・アジアの言語のつながり」 (3)日本・群馬県立女子大学、群馬学連続シンポジウム(第2回)招聘パネリスト(10月2日) 題目「日本文化の十字路としての群馬」 2、基礎データの収集と作成に関する考察を行った。その結果、(1)水源起源「地名」研究の有効性、(2)「地名」における音声的分布パタンの指摘、(3)「呼気」の強弱調査のための機器選択と実験内容の確定等の成果があった。 3、個々の言語地図の歴史的解釈を行い、外輪方言・琉球方言の分岐年代は6000±3000年という見通しを得た。 4、モンスーン・アジア(MA)地域の言語地図作成を、データを補強しつつ進めた結果、河川名以外でも、同様のMA型の広域分布パタンが得られることが明らかになった。 5、文化人類学研究との対照を行った。(1)MA内の言語分布とフロベニウスの神話分布の類似点を初めて指摘、(2)旧石器の分布と文法現象との相関関係に関する理論的解釈を行う。 6、方言文献資料・語彙資料の基礎的データの考察と収集を行った。 (1)近世江戸口語資料として六方詞の語彙収集(2)近世初期中京地方資料の文脈付索引作成作業(3)語源と語構成の考察(語源辞典) 7、MA言語史研究の基礎となる次の言語の調査記録を行った。 (1)サオ語の予備調査と調査準備(1の大学講演と連動)。(2)韓国語済州島方言の録音調査(1の学会発表と連動)(3)チベット語アムド方言文法の予備的記述的調査。
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