本年度はテキストの収集及び基礎資料となるデーターベースの作成を中心に下記のようなことを行った。 I.朝鮮読本のテキストおよび関係史資料の収集;韓国、東京、富山等への調査を行い、旧学部編纂『普通学校学徒用日語読本』(明治42年)および総督府編纂『国語読本』と関係史資料の収集を行った。結果、各期の朝鮮読本のテキスト収集はほとんど完了した。が、朝鮮総督府は改訂をきめ細かくしており、語句・内容・用字の異同を検討する必要があるので、ひきつづき出版年度の異なる読本を収集する必要がある。また、編纂趣意書や教授書についてはほとんどが所在を確認できなかった。来年度以降引き続き調査を行いたい。 II.朝鮮読本のテキストおよび内地国語読本の本文入力;収集した朝鮮読本については本文入力を行った。また、植民地の国語読本と内地の国語読本について比較の必要から今年度新たに内地の国語読本の入力を開始した。量的にすべてを入力するのは無理があるので、入力資料の選定を行い、一部入力が完了している。引き続き、入力校正等の作業を継続中である。 III.kwic形式による用語総索引の作成;本年度は『普通学校国語読本(あゆみ出版復刻版)』(1922)の入力済みのデータから順にデーターベースソフトによりkwic形式の用語総索引を作成した。現在、点検作業を継続中である。
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