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2004 年度 実績報告書

古代日本の墨書資料における字体・書体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520300
研究機関九州女子大学

研究代表者

奥田 俊博  九州女子大学, 文学部, 助教授 (30343685)

研究分担者 古木 誠彦  九州女子大学, 文学部, 講師 (90341297)
キーワード墨書資料 / 正倉院文書 / 木簡 / 字体 / 異体字 / 書体 / 書風
研究概要

平成15年度に引き続き、古代日本墨書資料を対象に、字体ならびに書体・書風に関するデータ収集を行いながら、より具体的な調査・分析を行った。
まず、字体については、正倉院文書を中心に、(1)古代日本の借金証書である「月借銭解」の数字表記についての調査・分析、(2)助数詞の異体字使用に関する調査・分析、(3)その他、異体字を使用した同一語の調査・分析、を行った。(1)は、「壱」「弐」「参」などの画数の多い数字(大字)と「一」「二」「三」などの通常の数字(通常字)の分布を中心にした調査・分析であり、(2)は「腰」「要」といった異体字の関係にある助数詞の調査・分析である。(3)は、「百姓」「伯姓」などの異体字について調査・分析を行ったものである。(1)については平成16年度に研究成果を公表し、(2)(3)については平成17年度に研究発表する予定である。
次に、書体・書風については、平成15年度の研究調査を踏まえ、(4)古代木簡と同時代の中国墨書文字資料との比較、(5)中央(日本)の墨書資料の書体・書風の調査を行った。特に、平城京長屋王家木簡(SD4750)中の近江国文書木簡・荷札木簡を中心に研究をすすめた。当初、これらの木簡に中国東晋時代の書風を感じ考察を行ったが、近江木簡と同時代(710年頃)の中国唐時代の書風がベースになっていることは、中国書道史の流れからも確定できる。しかし唐代書風といっても、唐時代は太宗皇帝により文教政策が行われ、文官は王義之書法の習得がなされているため、基本的には王義之書法も加味して考えられると、結論付けられる。またこの書風・書体については、朝鮮半島からの帰化人の影響を考えなければ、確たる分析は不可能である。唐時代書体・書風の朝鮮半島への変遷、そこから日本への変遷を、現在考察中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 月借銭解における数字の使用2004

    • 著者名/発表者名
      奥田 俊博
    • 雑誌名

      九州女子大学紀要 41巻1号

      ページ: 77-89

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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