研究課題
基盤研究(C)
「音韻論と意味論における文法的操作の統合」の可能性は、構造上の相同生がどの程度、存在するかに依存している。構造の本質的な側面は、時間的側面と空間的側面とからなる。この研究課題の遂行において、私は、音韻論と意味論おいて次の点を明らかにすることで「文法的操作の統合」の可能性を明示した。分節音内部の構造において、終端素性と非終端素性の間に時間(タイミング)要素が介在すると仮定することで、同化や子音挿入、さらには母音調和といったような音韻過程が構造的な併合(merger)として捉え直される可能性が明確になった。この可能性は、軟音化(lenition)や硬音化(fortition)といったような、メタ音韻規則と呼べるものの再定式化を可能にしている。いずれも、構造的な消去(erasnre)と連動する形で構造的な併合が機能する、と仮定することで説明できる。このような音韻論的な操作の極小化は、音韻部門の出力のレベルに完全解釈(full interpretation)の原理を措定することでさらに押し進められる。ここで仮定した時間要素はJackendoffの意味論の概念から来ている。この研究は、意味的要素が音韻的な要素に理論上、相同性をもつことを示している。意味論の領域においてもまた、構造的な併合というものが存在する。Jackendoffの概念意味論(Conceptual Semantics)における概念構造形成規則自体を併合の過程へと収斂させることは明らかに可能である。この研究課題において、私は節に対応する概念構造の単位での相互の併合の可能性について検討を進めてきた。特に、英語の語りのwhen節(narrative when clauses)の属性の精査により、Kiparskyが音韻論に関して提案しているテンプレートという構造的結合型が意味的な構造の生成に際しても機能することが明示された。この際の生成の中心的な操作には構造的な併合が存在している。
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Doctoral Dissertation Submitted to Tohoku University for theFulfillment of the Requirements of the Degree of Philosophy of Doctor without Academic Instructions