研究概要 |
本研究は,日中両言語の対照研究の知見にもとづき,中国語を母語とする日本語学習者に対する日本語教育に役立つ文法教材を開発することを目的としている。平成16年度におこなったことは以下のとおり。井上優は,平成15年度に引き続き,日本語の「こ(そ・あ)れ」と中国語の"這(那)個"の単独用法(後に名詞をともなわない"這(那)個")の比較対照をおこなった(現在論文執筆中)。また,学習者の母語を考慮した日本語教育文法について考察し,その結果を井上優「学習者の母語を考慮した日本語教育文法」(2005予定)の内容に反映させた。張麟声は,これまで得られた知見を張(2005予定)「日本語の「長文」について」としてまとめるとともに,中国(北京市,山西省太原市)において,『標準日本語(中級)』の文章を材料として,中国人学習者にとっての読解の困難点,「た」「受身」「指示詞」の使用の困難点の調査をおこなった。森山卓郎は,非母語話者に対する文法説明が満たすべき条件について検討した。
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