研究概要 |
本年度は、文法・語彙シラバスの構築のための作業を中心に進め、それと並行して、視聴覚教材作成の素材となるデータの収集作業を行った。また、年少者を含む、地域の日本語学習者の援助を目指す研究や情報収集を行った。 1.文法・語彙シラバスの構築のための研究・作業 (1)中級レベル以上の文法で何が問題となるかについて,「モダリティ,テンス,とりたて,複文,待遇表現」の各カテゴリーを中心に洗い出し,文法シラバスの検討を行った。結果の一部は研究業績にまとめて刊行した。 (2)中級学習者の作文の分析を行い、その中に出てくる問題点を、文法・語彙・表記の各レベルに分けて分析・考察した。 (3)中・上級学習者のスピーチについて、その原稿および口頭発表に見られる問題点を洗い出し、整理・分析した。 2.視聴覚教材の素材の収集作業 中上級レベルの視聴覚教材作成に必要な場面設定を行い,その映像素材をテレビ映像等からデジタルデータで収集し,編集・文字化する作業を行った。これを来年度以降作成する視聴覚教材の素材として用いる。 3.地域の日本語教育に関わる研究・活動 (1)外国籍住民が多い岐阜県で必要とされる地域言語の語彙や文法を、実際の運用の中から抽出・分析し、理論的な体系をたてて提示する試みを行った。結果は研究業績にまとめて刊行した。 また、地域で受け入れる日本語話者の言語に対しても、フォリナートークの効果的運用という観点から考察を行った。結果は研究業績にまとめて刊行した。 (2)京都市の公立小・中学校における入国児童生徒の日本語教育協力推進プロジェクト(京都外国語大学主催)に参加し,現場のボランティア教員から問題点や必要とされる日本語教材についての情報を収集した。
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