研究課題
基盤研究(C)
本研究は、従来の日本語教育の視点を「日本語学習者がどう学ぶか」を出発点として、学習者の習得過程を踏まえた指導や評価を考えることを提案するものである。具体的には、3年間の縦断的調査の日本語学習者:教室で日本語を学んだ学習者(以下教室指導学習者)、中国語母語話者3名と韓国語母語話者3名と学校に通わず日本国内で仕事をしながら日本語を学んだ学習者(以下、自然環境学習者)のマレー語母語話者1名の発話資料のコーパス・データ化し、以下の文法項目を対象として分析を行う。対象となるデータは、自然習得の学習者:マレー語話者1名の3年間のデータ32本のコーパス化(サコダコーパスA)と教室指導の学習者6名の45本のコーパス化(サコダコーパスB)を行い、その後、それらのコーパスを以下の14の文法項目の分析を実施するためのタグ付け作業を行った。その後、下記のデータを分析することによって国内における教室指導学習者と自然環境学習者の日本語習得の実態を検討し、文法項目も語彙項目と類似した習得過程の様相をしていること(例 言う/言われる)などが推測された。分析対象項目 (A)否定表現 (B)自他動詞 (C)名詞修飾構造 (D)受身 (E)のだ文 (F)アスペクト「〜テイル」 (G)授受表現 (H)推量のモダリティ (I)接続詞「から」 (J)複文のテンス (K)引用表現 (L)終助詞「ね」「よ」「よね」 (M)条件表現 (N)形容詞さらに、上記で得た成果に基づき、日本語指導の提言としてインプットとアウトプットの強化を検討し、口頭練習の前に理解を促すためのインプット処理指導や即時処理に重点をあてたシャドーイング(耳から聞こえてくるインプットをほぼ同時に口頭再生すること)という指導法を提唱した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
迫田久美子(編)『講座日本語教育学第3巻言語学習の心理』スリーエーネットワーク
ページ: 2-14
ページ: 95-127
Sakoda, Kumiko (ed.) Series Teaching Japanese as a Second Language Vol. 3 Psychology of Language Learning,3A Corporation
Sakoda, Kumiko (ed.) Series Teaching Japanese as a Second Language Vol. 3 Psychology of Language Learning, 3A Corporation