研究計画に基づき、以下の作業を行った。 1 教材作成のための素材として、実際に行われた人文系教養科目、社会科学系の講義を計3編録画した。 2 録画した映像データを内容に基づき3〜5分程度のユニットに分割し、インターネットで配信可能なムービーファイルへの変換作業を行った。ストリーミング用の動画ファイル形式を比較検討した結果、Windows Media Videoを採用することとした。 3 講義内容の音声の文字化作業を行った。 4 談話理解のために必要な言語表現、専門用語、一般的な語彙などに分類しながら、内容理解に必要な語彙リストを作成する。 以上の作業を経て、http〃www.kisc.meiji.ac.jp/~japedu/に「留学生のためのアカデミック・ジャパニース」を開設し、その中に上級日本語学習者(大学生)を対象とする「インターネット・ビデオ授業」のWebサイトを設置した。この日本語学習サイトではビデオクリップと共に語彙・表現リスト、スクリプト、授業資料の閲覧とダウンロードが可能となっており、CGIを使った内容確認テストが行えるように設計してある。また、ノート・テーキングの基礎練習を行うためのワークシートも掲載した。 現在、講義スクリプトを基にから、談話の流れを決定付ける言語要素(接続詞、その他の接続表現、指示詞、等)を抽出、談話からみた言語機能の分析を学習項目に反映させると共に、上級日本語学習者の試用を通して、学習者が困難と感じるポイントを確認し、学習システムの有効性を検証しながら改訂・拡充作業を進めた。
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