研究概要 |
平成15年度は,文献研究から始めた。小学校英語,児童英語に関するこれまでの研究書,実践報告書などを詳細に検討した。この年は,千葉大学教育学部小学校教員養成課程において,本研究の研究代表者らが中心となって,小学校英語に特化した新たな選修(「異文化コミュニケーション選修」)を立ち上げたこともあり,その新たな取り組みも研究の一環となった。この取り組みに関しては,児童英語教育学会,大学英語教育学会,外国語教育学会で,その都度新たなデータを示し,研究発表を行った。さらに,小学校英語のカリキュラム作りに向けて小学生を対象にアンケート調査をおこなった。その結果,現在の小学生は英語学習に関し,大きな関心・意欲を持っており,英語の知識も語彙・音声面ですでにいくらか有していること,すなわち,中学になってまっさらな状態で英語学習を開始するのではないということが明確に分かった。次に,小学校の教員及び中学校の英語科の教員を対象に小学校英語に関する意識調査も行った。この結果から,英語教育に関して小・中の連携の必要性を小・中の教員がともに共有していることがわかった。9月にはアメリカにおいて,第2言語としての英語教育の実態を視察し,教授法につき示唆を得たほか,教材などを入手した。平成16年3月及び11月に小学校英語の先進国である韓国の小学校を視察し,小学校英語の授業観察を行うともに,韓国の教育者らと意見交換した。 平成16年度は昨年度の成果を活かし,小学校教員のためのセミナー開催した。学会発表としては小学校英語教育学会(8月)で研究発表し,この論文が『小学校英語教育学会紀要』に掲載された。さらに,12月には大學英語教育学会関東甲越地区大会において,3人の研究協力者を得て,「これからの小学校英語カリキュラム作成への提言」というシンポジウムを組み,これにより小学校英語カリキュラムへの包括的な示唆ができた。
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