研究概要 |
本研究の目的は、初級からの中級レベルの学習者を対象とした独日表現データベースを作成し、これを表現辞書としてインターネット上で閲覧・検索可能にすることによって、ドイツ語の(作文・発話)能力の向上を支援することである。 現在、ドイツ語例文コンテンツの作成と検索用データベースの設計・構築という2つの作業を並行して行っているが、計画の初年度において実現したのは以下の点である。 ドイツ語例文コンテンツの作成 まず、2001年に欧州評議会が作成したCommon European Framework of Reference for Languagesにおける「自律的学習レベル」までの語彙を中心に、動詞約700語、形容詞約450語、名詞約2400語を選定した。それをもとに、現在、ドイツ語ネイティブの協力も得て、ドイツ語例文約4000個と対応する日本語訳例約1200個を作成し、検討中である。 データベースの設計と構築 データベースの構築に関しては、庄司文由氏(広島大学助手)の協力も得ながら、作成している。システム構成としては、Unix上で動くWebサーバのApache上にSQLデータベースを作り、検索プログラムはスクリプト言語のPHPで書いている。現在、独日両言語の同一画面上での表記とデータ入力に対応したインターフェースを開発するとともに、検索語の形態論的変化や複数キーワード検索にも対応できる柔軟な検索方式を開発し、そのひな型を以下のURLで実験・運用中である。 http://www.vu.hiroshima-u.ac.jp/deutsch/search2.php 今後の課題は,コンテンツ作成面では、例文数を1万個程度に増やしていくこと、また、データベース構築の面では、検索オプション機能の高度化と学習者用インターフェースの改善およびWWW上でのデータ編集機能の実現である。
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