本研究の目的は、情報化時代に適した、デジタル・アーカイブを用いた英語教育・異文化コミュニケーション教育のための教材の開発とその提示方法に関する研究をすることにある。素材の選定、素材を用いたデジタル・アーカイブ型教材の開発、その教材を利用した教育方法の可能性などが研究のテーマである。 また、本年岐阜女子大学は「デジタル・アーキビストの養成」で、現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択された。本研究は、このデジタル・アーキビストを養成するカリキュラム構成の中では、「文化に関する基礎」項目のコンテンツの創造、保護、管理、流通利用の研究に相当する。デジタル・アーキビストにはデジタル・アーカイブを開発管理する上での各ステージで、文化に関する知識・デジタル化のための技術・計画立案能力・管理運営能力・著作権等の処理能力等が必要とされる。英語教育・異文化コミュニケーション教育に関するデジタル・アーカイブを開発管理する上で、こうした諸能力の育成方法を考察する。 平成16年度は以下のような研究を行った。 1.岐阜女子大学大学院文学研究科に開講されている「米文学演習」(亀井俊介教授担当)の授業をデジタル・ビデオ・カメラで撮影・記録したものを素材し、記録した映像から音声だけを取り出し、テープを起こして文字情報に変換。変換した文字情報を編集しテキストを作成した。今後はテキスト情報・画像情報を含んだデジタル・アーカイブを開発する。2.英米詩に関するデジタル・アーカイブを改良した。印刷媒体・CDによる提示をする予定。3.アーカイブの構成要素、デジタル・コンテンツの利用のための記録項目、デジタル博物館の情報構成を考察した。4.テレビ会議システムを用いた異文化コミュニケーション授業に関して学力という観点から考察した。5.デジタル・アーカイブと著作権については引き続き研究課題である。
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