研究課題/領域番号 |
15520379
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
堀 素子 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (70340750)
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研究分担者 |
重光 由加 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (80178780)
大塚 容子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (10257545)
津田 早苗 東海学園大学, 人文学部, 教授 (80082361)
村田 和代 龍谷大学, 法学部, 専任講師 (50340500)
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キーワード | 英語教育 / 待遇表現 / 対人関係 / ポライトネス / 談話分析 |
研究概要 |
本研究は、日本人が英語を使って良好な対人関係を構築するための問題点を解明し、その結果に基づいて英語教育に新しい視点を提言することを目的としている。 平成15年度は、日本人とアメリカ人の英語会話データと海外居住経験者のアンケート調査を分析した。その結果、日本人は英語母語話者が持っている対人関係の基本的理解が不十分なために英語に日本語の対人関係上の価値観を取り込み、語彙・文法の誤り以上に深刻な誤解を生むことが明らかとなった。日本の英語教科書には対人関係構築の言語方略はほとんど取り上げられていない上に、英語母語話者の教師による偶発的指導だけでは十分に習得できない。したがって英語で良好な人間関係を築くためには、情報伝達に必要な語彙・文法知識だけではなく、社会言語学的・語用論的知識が不可欠であることを指摘した。これらの所見をもとにして授業でポライトネスに直結した知識を意識的に教えたところ、非常に有効であることもわかった。 これらの研究成果は、日本機能言語学会春期例会(6月)、第42回大学英語教育学会全国大会(9月)、第21回日本英語学会全国大会(11月)、The 1st Asia TEFL International Conference(11月、釜山)、大学英語教育学会中部支部談話会(12月)、日本語用論学会(12月)、シドニー大学主催Workshop 2004: Language and Culture(平成16年2月、Sydney)において発表した。またそれらの結果を実際の教育現場に反映するために、平成16年1月には大学生向け英会話教科書Let's Be Friendsをマクミランランゲージハウスから出版した。 平成15年度の科学研究費補助金は、主に会話データを収集する際の録画録音機器の購入、会話協力者への謝金、文字化協力者への謝金、学会発表のための出張費に支出した。
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