研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦国末期以来、津軽地方において地域権力を形成してきた津軽氏(当初は、大浦(おおうら)氏を称する)の城跡の発展過程を、文献資史料と遺物資料によって解明しようというものである。各時期の支配の拠点としてきた、種里(たねさと)城をはじめとする、大浦(おおうら)城、堀越(ほりこし)城、そして弘前城などの城郭を、単なる個別の城郭として捉えるのではなく、その連続的な面と非連続的な面を明確にすることによって、津軽氏城郭の歴史的発展段階とその特徴を把握し、文書・記録・絵図類や城館跡から出土した陶磁器や遺物を比較校合して、各城郭の特色と発展段階を跡づけることができた。上記の点については、機会を得て、後掲のように成果を雑誌や著作に発表した。具体的には、津軽氏城跡を描写する、江戸時代の弘前藩政資料並びに絵図のなかでも、「弘前并近郷之御絵図」「天和書上絵図」について、文献資史料を駆使して成立の背景や襲蔵のあり方、作成の意図などを調査・研究し、これらの絵図類についての資料学的な検証を行った。また種里、大浦、堀越城について出土遺物を中心にその連続性を考察し、亀ケ岡城についてはその歴史的な位置づけについて、出土遺物や絵図類に基づいて考証し、弘前藩の初期新田開発との関わりについて論究した。以上の研究内容に関しては、3月に刊行した『津軽氏城跡の発展過程に関する文献資史料と遺物資料による研究』の報告書に詳細を記してあるので、それらを参照されたい。
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日本海域歴史大系(近世篇I) 第4巻
ページ: 131-157
A Compendium of History of the Japan Sea Regions Vol.4, Modern Times, Part I 4
白い国の詩 569
ページ: 4-11
貿易陶磁研究 24
ページ: 152-170
Shiroi Kuni no Uta 569
Trade Ceramics Research 24