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2005 年度 実績報告書

日本古代における書状の社会的機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520396
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

西澤 奈津子 (古瀬 奈津子)  お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (20164551)

キーワード書状 / 手紙 / 書儀 / 表 / 奉書 / 綸旨 / 蔵人 / 往来物
研究概要

日本古代の書状と唐の書儀の比較研究について、国際学会で2件口頭報告を行った。平成17年4月29日、台湾大学東亜文明研究中心主催の東亜伝統家庭教育與家内秩序国際研討会(教育與法制的探討之一)において、「従書儀書簡看唐日的家内秩序與社会秩序」という題目で発表し、日本古代の書状には唐の書儀に規定されている宗族内・家族内における「家書」に該当する書状が見当たらないことの理由を考察した。同年6月27日、復旦大学(上海)建校100周年(復旦大学歴史学系成立80周年)社会転型与多元文化国際学術研討会において、「従書儀・書簡看唐日古代官僚制的特質」という題目で発表し、唐では表・状・啓の書式は書儀に規定されているが、上表・奉表する場合については唐令に規定されている。唐令を継受した日本令では、上表は継受したが、皇帝践祚などの場合官人個人が奉表することは受容しなかった。これは唐における皇帝と官人との関係と、日本古代における天皇と官人との関係の違いによると考えられる。また、「綸旨の成立」を『法制史研究』55号(平成18年3月)に執筆し、平安時代中期の日記にみえる蔵人の書状と、文書としての綸旨(正文・案文)を総合して検討した結果、綸旨の成立は後一条天皇の時期にあったこと、その背景として太政官・蔵人所の家政機関化により、天皇の命令が蔵人を通じて直接伝達されるようになるという政治機構の変化があったことを指摘した。さらに、平安時代中期成立の初期の往来物である『高山寺本古往来』と『明衡往来』の書状を整理した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 綸旨の成立2006

    • 著者名/発表者名
      古瀬 奈津子
    • 雑誌名

      法制史研究 55

      ページ: 51-78

  • [雑誌論文] 書儀・書簡よりみた日唐古代官僚制の特質2005

    • 著者名/発表者名
      古瀬 奈津子
    • 雑誌名

      お茶の水史学 49

      ページ: 119-129

  • [雑誌論文] 手紙のやりとり2005

    • 著者名/発表者名
      古瀬 奈津子
    • 雑誌名

      文字と古代日本 4

      ページ: 218-241

  • [雑誌論文] 清少納言と紫式部2005

    • 著者名/発表者名
      古瀬 奈津子
    • 雑誌名

      古代の人物 6

      ページ: 123-145

  • [雑誌論文] 唐帝国の解体と古代日本2005

    • 著者名/発表者名
      古瀬 奈津子
    • 雑誌名

      中国の歴史月報 7

      ページ: 5-8

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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