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2004 年度 実績報告書

古代官大寺と寺領荘園の実態的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520400
研究機関京都大学

研究代表者

吉川 真司  京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00212308)

キーワード官大寺 / 荘園 / 東大寺 / 興福寺 / 弘福寺 / 維摩会 / 雑役免荘園 / 踏査
研究概要

古代官大寺の研究としては、7世紀における大寺の機能について基本的考察を試みた。まず7世紀倭国の文明化における仏教・寺院の役割を高く評価し、飛鳥寺と宮廷法会をそのセンターとして位置付けた(「律令体制の形成」)。また古代宮都成立史を考える場合にも寺院・僧尼・法会などを論に組み込むべきであり、僧尼が京では構成的比重をもって存在したこと、官大寺が京に不可欠の構成要素であったこと、などを指摘した(「7世紀宮都史研究の課題」)。なお、法会形態の研究については次年度の課題として残された。
古代寺領荘園の研究としては、まず大和国雑役免荘園の検討に取り組んだ。東大寺領雑役免荘園についてはその全貌を初めて明らかにし、11世紀に根本的な再編成があったことを推断するに至った。興福寺領雑役免荘園についても、11世紀に再編成が行なわれたこと、その要因として維摩会料の変化を想定できること、などを解明した(未発表)。一方、大和国山辺郡南部にあった興福寺領雑役免荘園を群として分析し、地域史研究の貴重なデータとなることを示した(「オオヤマト地域の古代」)。
個別荘園の研究としては、興福寺領山城国宇治荘・一乗院領大和国奥山荘・弘福寺領大和国寺辺所領・東大寺領周防国椹野荘・大安寺領大和国波多杣について、史料の検討と現地踏査を行なった。宇治荘については、山階寺の所在地が藤原鎌足功田に指定され、8世紀に興福寺維摩会料荘園に転化したことを論じた(「安祥寺以前」)。奥山荘・椹野荘については中世史料の遡源的分析を進め、モノグラフ執筆が可能な状態となっている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 安祥寺以前2004

    • 著者名/発表者名
      吉川 真司
    • 雑誌名

      『安祥寺の研究』I

      ページ: 115-127

  • [雑誌論文] 律令体制の形成2004

    • 著者名/発表者名
      吉川 真司
    • 雑誌名

      『日本史講座』1

      ページ: 201-240

  • [雑誌論文] オオヤマト地域の古代2004

    • 著者名/発表者名
      吉川 真司
    • 雑誌名

      オオヤマト古墳群と古代王権

      ページ: 134-151

  • [雑誌論文] 7世紀宮都史研究の課題2004

    • 著者名/発表者名
      吉川 真司
    • 雑誌名

      日本史研究 507

      ページ: 61-75

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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