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2005 年度 実績報告書

古代官大寺と寺領荘園の実態的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520400
研究機関京都大学

研究代表者

吉川 真司  京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00212308)

キーワード官大寺 / 荘園 / 東大寺 / 大后寺 / 東大寺続要録 / 御斎会 / 長登銅山 / 食堂
研究概要

(1)東大寺領・大后寺領古代荘園の研究
東大寺領・大后寺領古代荘園に関する史料の収集・検討、および現地調査を実施した。まず東大寺領については、周防国椹野荘を主な分析対象とし、長登銅山および小郡周辺の踏査を進めた。その結果、同荘は未墾地が開発されて成立したのではなく、藤原不比等・光明皇后以来に遡り得る産銅輸送施設を前身としたことを推定するに至った。また大和国喜殿荘に関わる荘園絵図二葉を分析し、新たな現地比定を行なって、飛鳥地方全体の荘園開発史に位置づけた。大后寺領荘園については、大后寺が小治田寺の別称であることを解明し、後に一乗院領に組み込まれた奥山荘・佐保田荘・外山荘などは、八世紀以前に奈良盆地の交通路との関係から設定されたことが推定できた。
(2)古代寺院の仏教儀礼に関する研究
当初は法会料所の分析を試みたが、そもそも古代寺院の仏教儀礼自体の検討が十分でないことに鑑み、対象をやや変更した。まず東大寺の別当就任儀礼を研究し、根本史料である『東大寺続要録』拝堂篇の厳密なテキスト校訂を行なって、基礎事実の解明に務めた。その結果、食堂が僧侶集団の結集拠点として機能しており、別当就任儀礼の基軸の一つは食堂儀であることが明白となった。ついで官大寺の法会形態を広い視野から考えるため、大極殿御斎会についても分析を進めた。八世紀後葉に成立した御斎会に際して、朝廷の中枢施設である大極殿-朝堂院一郭は「仮設寺院」として機能しており、空間構造・儀礼構造は同じ論義会である興福寺維摩会と似通っている。このことから逆に、古代官大寺の講経会の形態が朝廷関係史料から類推できることが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 王宮と官人社会2005

    • 著者名/発表者名
      吉川真司
    • 雑誌名

      列島の古代史 4

      ページ: 239-280

  • [雑誌論文] 税の貢進2005

    • 著者名/発表者名
      吉川真司
    • 雑誌名

      文字と古代日本 3

      ページ: 37-80

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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