1、荘園調査による荘園地図の作成 宮井(用水)の水利・地名調査を実施して、和歌山平野の宮井灌漑地域全体の荘園遺跡地図(通称地名・遺跡と水利慣行の図面データ)を作成した。開発によって破壊の進行した岩橋荘故地・根来寺大門池についても、紀州惣国関連遺跡として同様の調査を行なった。 2、古文書調査・翻刻作業と荘園地図 国立国文学資料館史料館所蔵の「日前宮文書」「紀氏文書」、神奈川大学常民文化研究所・水産庁中央資料館所蔵の同筆者稿本、和歌山市立博物館所蔵の「林家文書」「岩橋文書」「太田文書」を調査・翻刻して、日前宮神領の分析をすすめた。特に永仁検注帳については翻刻を示して和歌山平野の中世景観を解明し、荘園地図上にデータを記入した。 3、1・2の研究をもとにして、網野善彦説(平民・職人論)を再検討する考察をおこなった。
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