研究課題
基盤研究(C)
本研究は、安楽寿院に現存する史料群の調査を中心に、日本史学・美術史学・建築史学・考古学各分野の研究者が共同研究を行うことで、鳥羽の地を中心に形成された院政期京文化とその後の展開・変貌を、多面的・総合的に解明することを目的とした。具体的には、つぎの2点を目指した。a 安楽寿院に現蔵する資史料の調査を行い、その全貌を解明する。文書群については、目録を作成するとともに、写真撮影を行う。b 安楽寿院での調査成果を踏まえ、安楽寿院・鳥羽殿、そして後代の発展・変貌を含めて、多面的・総合的な院政期京文化についての認識や歴史像を新たに構築する。かかる目的のもと、4年間(延長期間を含む)の調査・研究成果を別冊研究成果報告書にまとめた。報告書は第I部・II部より構成されている。第I部では、本研究に関わった研究者が執筆した論文である。'いずれも新稿で、各分野での安楽寿院や鳥羽に関する研究状況を踏まえつつ、調査で得た知見を盛り込んで、執筆されたものである。「鳥羽殿の成立と展開」「安楽寿院の仏像」「安楽寿院と鳥羽院」などの論考を収録するとともに、これまで検討が進んでいなかった、近世の安楽寿院について詳細に明らかになった点が大きな成果と考える。第II部には、安楽寿院文書の目録、史料紹介を掲載した。安楽寿院には、三千点以上におよぶ文書(主体は近世文書)が現存し、ほぼ全体の調書を作成することができた。また、全体の半数程度の写真が撮影できた。報告書では、紙幅の関係より写真撮影が完了した第五箱から第八箱までの目録を掲載するにとどめたが、安楽寿院文書の調査は、今後とも続け、撮影完了分より順次目録を公開していきたいと考える。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (22件) 図書 (4件)
シリーズ 都市・建築・歴史3 中世的空間と儀礼(東京大学出版会)
ページ: 15-94
院政期の内裏・大内裏と院御所(文理閣)
ページ: 272-308
国文論叢(神戸大学文学部国語国文学会) 36
ページ: 44-80
Series : City, Architecture, and History 3 Medieval Spaces and Rites
Dairi, Dai-Dairi, and Ingosyo in Insei Period
Collection of Essays about National Literature 36
古代の人物(6) 王朝の変容と武者(清文堂出版)
ページ: 201-228
仁海-仁海僧正御誕生一〇五〇年記念-(大本山随心院)
ページ: 114-131
ぐんしょ 69号
ページ: 1-9
中世の仏教 -頼瑜僧正を中心として-(青史出版)
ページ: 81-125
Ancient Character 6 Transfiguration of the Dynasty and Worriers
Ningai-Memory of 1050 Years from the Birth of Bishop Ningai -
Gunsyo 69
Medieval Buddhism -Mainly Bishop Raiyu-
中世一宮制の歴史的展開 下(一宮研究会編)(岩田書院)
ページ: 41-91
覚禅鈔の研究(覚禅鈔研究会編)(親王院堯榮文庫)
ページ: 247-300
日本史講座 第3巻 中世の形成(東京大学出版会)
ページ: 227-261
国史学 182
ページ: 17-43
Historical Development of Medieval Ichinomiya-Sei, Low
Study of Kakuzensyo
Japanese History Course vol.3 Formation of Medieval Times
Study of National History 182