研究課題/領域番号 |
15520419
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
幡鎌 一弘 天理大学, 附属おやさと研究所, 助教授 (50271424)
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研究分担者 |
山中 秀夫 天理大学, 人間学部, 講師 (60309523)
井上 智勝 大阪歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (10300972)
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キーワード | 神社 / 神職 / 吉田家 / 御広間雑記 / 白川家 / 神道 / 近世 / データベース |
研究概要 |
本年度は、前年に引き続き、「御広間雑記」のデジタル化を進めた。昨年度と本年度で、冊子番号133(宝永7年・1707)まで処理することができた。これは、冊子数全体では約20%に相当するが、時代が下がるにつれて、冊子の厚さは確実に増しているので、実際には、概算で13%程度である。 データベースの項目入力は、そのうちの60冊分を進めることが出来た。ただし、作業を分担した担当者によって、データの拾い上げ方に若干の違いがあって、これらを今後どのように調整していくかが問題になる。この調整を行い、データ分析に進みたい。 本年度は、吉田家以外の神道史料として、白川家の史料を調査した。すでに白川家史料の一部は『白川家門人帳』として、公刊されているが、史料の実物を確認すると、後の書き込みや修正が加えられていること、ある段階で冊子が組み換えられていることがわかり、史料の作成と組織の関係を明らかにすることできる素材をえた。白川家史料には、吉田家史料として残っていない、門人帳や勧遷留という管理の帳簿が残されている。これらが、なぜ吉田家では作られなかったのかをも分析の対象としなければならない。 また、白川家門人と垂加神道・平田国学との重なりも、数人の門人の動向を検討することで明らかにできた。吉田家についてもこれらの重なりの程度を検討していかなければならない。また、白川家では、1827年と1862年を転換点として、勧遷数が飛躍的に増加し、年間1,000程度の札を発行している場合もある。同じように吉田家ではどのように勧遷が行われているのか、比較する必要が明らかになった。 なお、これらの成果については、身分的周縁研究会(9月6日・箱根)、近世史フォーラム(9月18日、大阪)、第19回国際宗教学宗教史学会議世界大会(IAHR、3月28日、東京)で報告を行った。
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