研究課題/領域番号 |
15520419
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
幡鎌 一弘 天理大学, 附属おやさと研究所, 助教授 (50271424)
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研究分担者 |
山中 秀夫 天理大学, 人間学部, 助教授 (60309523)
井上 智勝 大阪歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (10300972)
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キーワード | 神社 / 神職 / 吉田家 / 白川家 / 御広間雑記 / 神道 / 垂加神道 / データベース |
研究概要 |
平成17年度は、計画の最終年度として、データベースのチェックを行った。インデックス項目として、デジタルデータのフォルダ・コマ番号・年月日・神社名・地名(国・郡村)・備考(内容の簡単な紹介)としていた。この項目としては101冊目までインデックスの作成を行った。これは、御広間雑記の冊数全体の約15%である。地名・神社名が最も重要になるが、実際には両方とも記されず人名だけになる場合が多い。そこで、人名を追記する作業もあわせて行ったが、作成したデータベースを利用しながらの作業で、かなりの時間がかかることがわかった。現状では、30冊、約5%であるが、項目数は倍以上になるものの、有効な情報とはいえないものも含まれる。また、どの人物を採用するのかの基準も大変難しい。今後は、人名を記さない簡略版を作業として先行させ、詳細版を徐々に進めていくことが適切であると判断した。3年間で作成したインデックスは計約11,000である。 17世紀中ごろまでの吉田家は、寛文5年の諸社禰宜神主法度(神社条目)前後で入門者数が大きく伸びることが確認できる。その伸びは、単に神主の意識向上によるだけではなく、どちらかといえば触れ伝達を受けた藩側にあり、会津(保科)・尾張・紀伊・備前(池田)・長門(毛利)・肥後(細川)などは、神道に関する意識が高い、あるいは吉田家とのかかわりが深い藩である。このなかで、神主間のネットワークが生まれ始め、有力社が近隣の社家の紹介者となるだけでなく、尾張・備前の神主、あるいは江戸・駿河・遠江の神主など、国を超えた結びつきが生まれてくることが明らかになった。 神道伝授も積極的に行われ、宗源行事や大護摩、十八神道の伝授を希望する地方の有力神職が数多く京都に滞在していた事実を見出せるのも特徴といえる。
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