研究課題
本年度は、ペルシア語・アラビア語・ウルドゥー語・テュルク語の古文書・古写本を調査するため、タミルナードゥ州政府東洋写本図書館(インド共和国)へ出張した(旅費)。同館には上記諸言語による写本がおよそ二千点所蔵されているが、カタログが本邦の公的機関にはほとんど将来されていないため、その全容は不明であった。今回の調査においては、カタログを精査することによってコレクションの概略を知るとともに、これまでに知られていたものの他にも、いくつかの重要な写本が存在することを確認できた。なかでもムガル帝国末期の王族の回想録、南インドにおいてペルシア語で編纂されたテュルク語文法書、海事関係のマニュアルや語彙解説集などの著作の写本は本研究に密接な関係を持つものであるものと判断されたので、同館司書の許可を得て写真撮影を行った。目下それらの写本の内容を精査しているところである。また本邦ではほとんど見ることができない、同館の出版物(写本カタログや一次文献の翻刻)も多数購入することができた。なかには南インドのムスリム藩王国に関する歴史書の翻刻など、これまで学界に知られていなかった貴重な出版物も含まれている。また研究課題に関連する資料のマイクロフィルム・マイクロフィッシュを、デジタルスキャンによって電子的な画像データに変換した(その他・謝金)。これらのデータを扱うため、電算機のハードウェア、ソフトウェアの環境を改良した(物品費)。また国内外の研究の動向をフォローするために研究文献を多数購入する一方、一次史料の校訂本も購入して、研究資料の整備に努めた(物品費)。
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Population movement beyond the Middle East : Migration, diaspora, and network (Usuki et al. (eds.))
ページ: 291-304
『世界歴史大系 南アジア』第2巻(小谷汪之編) (印刷中)