研究課題
基盤研究(C)
3年目(最終年度)の本年は、「先住民族の発展のための全国振興機構」(CDI)を再々訪し、政策企画部、先住民族参画・諮問部、先住民族能力開発部を中心に、部長および専門職員と面談し、2003年の創設以来の活動と手応えについてヒアリングを行うとともに、ことに「先住民女性のための生産活動の組織化プログラム」(POPMI)をめぐる一連の資料提供を受けた。9月下旬には1週間であったが、国立人類学歴史学研究所ケレタロ支部の支部長以下数名の人類学者とともに、中北部のケレタロ州アメアルコ郡とトリマン郡のオトミー村落共同体、および隣接するグアナフアト州のメスティソ農村(言語はスペイン語のみのモノリンガル)においてフィールド・ワークを行い、増大する米国への移民の影響と地元に残った女性たちが協働で生産活動に当たる自助組織について調査した。3年間の多文化主義、先住民運動、トランスナショナルな移民に関する文献研究と3度のメキシコにおける現地調査を総合し、「人種」「民族」「階級」の概念で切り離して捉えられてきた先住民族の諸問題に、ジェンダーの視点を加えつつ、国民国家の望ましい姿について考察を行った。かつ、西洋文明中心的な理念や制度を自明の前提とする国民統合ではなく、公的領域における文化の複数性を実現するために、メキシコ社会の場合どのような道をとりうるのか検討した。
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環-歴史・環境・文明- Vol.24
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