研究課題
基盤研究(C)
本研究は、近代ヨーロツパの聖俗両面において歴史の推進力を果たしてきた宗教の役割を、特に17世紀末から19世紀初頭にかけてのプロテスタントの国際的情報ネットワークに焦点をしぼって検討することが目的である。私は、これまでの研究において、イングランド国教会やロンドン有力商人等の民間団体が、ヨーロッパ各地の政治・宗教情勢について情報を収集する一方、一般に「啓蒙の時代」といわれる18世紀に、なお、全ヨーロッパ規模でのプロテスタントの連帯運動を押し進めようとしてきたことを明らかにした。そこで本研究は、彼らのあいだの国際的情報ネットワークの種々の実態をいっそう明らかにすると共に、それを支えた理念について、その変化も含めて、検討することを課題とした。プロテスタント・ネットワークの研究は、日本はいうまでもなく欧米でも未開拓の分野である。しかも、この研究は、ヨーロッパがいかなる過程を経て異なる宗教・宗派の問に寛容の問題を発展させてきたかを具体的に理解するうえで欠かすことの出来ない作業と考えている。対象となるネットワークの拠点はヨーロッパ北部全域にわたっており、科研を利用して毎年、それぞれの地域における研究者との情報交換や研究会において知見を得る努力を積極的に行なった。その研究成果の一部は、雑誌論文三本、著書二冊において発表された他、アバディーン大学、アヴィニョン大学、第5回日韓歴史家会議における口頭発表という形になった。またシュトゥットガルト大学ヨアキム・バールケ教授が出版を予定している論文集に収録が決まる('Watch over the front lines : Jablonski and the English relief activities for continental Protestants')などの反響があった。
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創文 490号
ページ: 14-18
Sobun vol.490
The Possibilities of Central Europe, Published by Showado
ページ: 360-35-360-67
Journal of Ecclesiastical History Vol.56,no.4
ページ: 730-748
Journal of Ecclesiastical History vol56, no.4
Transparant 2月号
ページ: 11-16
Transparant, Februrary
Published by Yamakawa Publisher (Tokyo)
ページ: 200