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2004 年度 実績報告書

古典期アテナイにおける復讐と刑罰

研究課題

研究課題/領域番号 15520470
研究機関大阪大学

研究代表者

栗原 麻子  大阪大学, 文学研究科, 助教授 (00289125)

キーワードアテナイ / 民衆訴追 / 民主制
研究概要

本研究課題の「復讐と刑罰」について、本年度も「何人でも欲するもの」による訴追の制度に焦点を絞って考察を進めた。「何人でも欲するもの」による訴追制度に関しては、英独のあいだに、研究史上重要なずれが生じている。かたや「民衆訴追」の概念のもとに、かたや公私の対立のもとに、この訴追制度をとらえているためである。しかし、この訴訟制度の特質は、両者の接点のもとにある。何人でも欲するもの」による訴追は、民衆訴追ではあるものの、ローマ法や欧米各国法におけるような特殊限定的・補完的なものではない。個人的なことがらをこえたほとんどあらゆる「公的な」領域に適用されているのである。公的訴追が民衆訴追にゆだねられている点に、アテナイの民衆参加の性格がある。本年度は、アッティカ法制度にかんする19世紀以来の研究文献等についてオックスフォード古典学部図書館において調査をおこなうとともに、法廷弁論における「復讐」の用法について検討した。法廷弁論についてはまだ結論に達していないが、碑文の調査からは、「何人でも欲するもの」が法専門職による訴追のなかの例外でなかったために、この制度が役職者による職務遂行にも用いられいた可能性が高いことを示すことができた。このことは、アテナイ民主制下の民衆参加を考えるうえで、役職による参加に注目する必要があることを示唆している。これらの成果については奈良大学研究所報および京都大学西洋史読書会大会において発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 古典期アテナイにおける役職者と私人についての予備的考察2005

    • 著者名/発表者名
      栗原麻子
    • 雑誌名

      奈良大学総合研究所所報 13(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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