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2003 年度 実績報告書

局部磨製石斧の実験的研究 -後期旧石器時代の石斧の機能-

研究課題

研究課題/領域番号 15520480
研究機関札幌国際大学

研究代表者

長崎 潤一  札幌国際大学, 人文学部, 助教授 (70198307)

キーワード局部磨製石斧 / 実験考古学 / 後期旧石器時代
研究概要

1.局部磨製石斧の実験的製作を行なった。石狩川、十勝川で採取した石材を使用したため、砂岩粘板岩が多かった。出土石器の法量データを参考にしながら、石ハンマーで両面加工を施し、長さ10センチほどの石斧を製作した。これらのうち当該時期の石斧に近いプロポーションを有すると判断したものの刃部を電動のグラインダーで研磨した。この研磨面も出土石器のデータから刃部周辺にとどめた。計5本の石斧を製作し、こうした各工程を記録した。
2.柄に実験石斧を着装した。実験石斧を鹿皮で巻き、横斧2本、縦斧3本を製作した。柄には皮ひもで固定した。本年度は試行的実験として乾いた木材の加工実験、生木の加工実験を行なった。実験では柄と石斧の装着がしばしばはずれてしまい着柄方法の再検討が必要とされた。特に横斧の着柄は難しく、民族誌的事例の検討が必要と思われた。各実験では対象物と当たった回数、対象物との接触するおおよその角度を記録し、木材の加工状況も写真で記録した。実験石斧の刃部体部を双眼実体顕微鏡で観察し、デジタルカメラで記録した。刃部を中心に多数の線状痕と微細な刃こぼれが確認された。また器体中央部にも接触痕、着柄の痕跡なども観察できた。こうした痕跡、線状痕、刃こぼれなどの位置関係を図化して記録した。
3.関東・中部地方などで出土した後期旧石器時代の石斧を多数撮影したデジタル写真データを群馬県笠懸村岩宿文化資料館から提供された。この写真データをパソコンで処理し、石斧の拡大写真のデータベースを作成した。一部に改めて写真撮影を行なうべきものもあり次年度の課題となった。刃部の縁辺には使用痕跡と思われる短い線状痕が認められた。研磨面もほとんどの石斧で複数の研磨面を有しており、石斧製作時と刃部再生時の複合的な研磨状況が推測された。研ぎなおしについて研磨面の詳細な観察が必要であると思われた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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