研究の最終年度には、これまで分析・研究を進めてきた遺跡の形成過程を解明するために、遺物の出土状況の検討を加え属位的なまとまりと空間的な分布を観察した。 そして、特に出土土器について、型式学的な検討を加え、遺跡の形成過程について、考察を加えた。その結果、分析した後期の遺跡は、長期的な継続性を示しながらも遺跡内で生活地点を頻繁に移動した結果に残されたことが明らかにできた。 また、遺跡間の関係として、こうした長期継続型の遺跡は貝塚の形成、居住痕跡の集中と累積状況から、当該期の集落であることが指摘できた。 こうした遺跡の群集する状況、長期的な継続性については、その背景について、相互補完的な集落間関係が推測できるが、個々の関係の詳細については、今後の課題となった。
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