研究課題/領域番号 |
15520484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢野 健一 立命館大学, 文学部, 助教授 (10351313)
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研究分担者 |
清水 芳裕 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90127093)
千葉 豊 京都大学, 大学院・文学研究科, 助手 (00197625)
次山 淳 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (80260058)
中村 豊 徳島大学, 大学開放実践センター, 助手 (30291496)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 土器胎土 / 角閃石 / 生駒山西麓 / 縄文土器 / 押型文土器 / 庄内式 / 土器型式圏 |
研究概要 |
特徴的胎土というのは、弥生・古墳時代研究において生駒西麓産といわれる角閃石を多量に含有する土器の胎土を念頭においており、これと共通する胎土が各時代、どのような分布を示すか、という点を主眼として研究を行った。したがって、近畿地方を中心とした遺跡における縄文時代早期〜晩期、弥生時代、古墳時代はじめの土器の胎土について、特に、角閃石含有の有無を中心として、調査を行った。肉眼観察により、各遺跡での特徴的胎土の比率を算出したほか、肉眼観察と薄片資料の観察との整合性を検証した。 縄文早期については、矢野の掲載報告を参照。東大阪市神並遺跡では100%であるが、滋賀県や福井県、奈良県にも7割から8割程度の高率で特徴的胎土が分布することがわかった。生駒山からの距離には比例せず、複数、特徴的胎土の原料の産地があることがわかった。清水の薄片資料の観察と、肉眼観察の結果は整合しているが、肉眼観察で角閃石としたものの中に輝石類が含まれていることがわかった。 このような特徴的胎土の分布の広さは縄文後期にも同様に認められる(千葉報告)が、弥生時代や古墳時代には、この生駒山周辺に限定されるようになる(研究協力者田中元浩報告)。縄文時代には特徴的胎土が広く分布する時期と、そうではない時期とがあるが、特徴的胎土が100%の比率で存在する地域は生駒山周辺に限定できる。矢野は特徴的胎土を有する土器が縄文時代に広く分布する時期は、生駒山周辺で特徴的胎土による土器が製作される時期、すなわち、この地域に土器型式が中心的に分布する時期であると、考えている。
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