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2003 年度 実績報告書

近代化の指標としての風邪薬の意味とその普及にみる明治期以降日本の地域的特質

研究課題

研究課題/領域番号 15520494
研究機関筑波大学

研究代表者

小口 千明  筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (20169254)

研究分担者 山澤 学  筑波大学, 歴史・人類学系, 講師 (60361292)
石井 英也  筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60091881)
キーワード風邪 / 風邪薬 / 売薬 / 明治 / 近代化 / 大正 / 民間療法 / 流行性感冒
研究概要

本研究は、現代日本における売薬(配置薬を含む合剤全般)では風邪薬の生産と利用がもっとも主軸であるのに対し、幕末・明治期の売薬では同上薬の生産と利用がきわめて乏しいと見られることに注目し、近代化との関わりからその後の風邪薬の普及とその日本における地域的特質を解明しようとするものである。研究全体は3年計画で行うなかで、平成15年度は、まず幕末・明治期を含む昭和戦前期までの日本の売薬の生産・販売状況の把握と、そのなかにおける風邪薬の実態の把握に力点を置いて調査を行った。
研究および調査の方法として本年度は、先行研究において売薬の生産・販売が認められる地域における売薬の内容に関するより詳細な実態把握および民間療法に関する先行研究において風邪およびそれに類する病状に対する伝統的療法が存在すると見られる地域におけるその治療方法のより詳細な実態把握を、どちらも現地を探訪してのフィールドワークにより行った。
結果として、幕末期の売薬については系統的な把握が困難で、明治期以降における官庁資料からの類推によるしか解明の手段が見出せないものの、明治期を含めた明示以前の日本では、風邪薬の生産と販売は売薬の他の効能のものに比べ、きわめて少ないという実態が、従前以上の精度によって確められたということができる。また、風邪薬の普及は大正期以降に強まることも、具体的資料とともにほぼ示しうるといってよい。それに対し、民間療法に関する風邪の治療法では、先行研究を行った多くの研究者が「風邪」という概念が日本で広く普及することが近代以降という認識に乏しく、そのため、風邪に関する民間療法の先行研究の多くは再検討を要することが判明した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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