研究概要 |
平成の大合併は、合併特例法が適用された兵庫県篠山市(99年4月合併)の誕生以来、2005年度中には317の新しい自治体が誕生し、全国の市町村数は、3,232から2,343へ大きく減少する予定である。 3年計画プロジェクトの2年目にあたる本年度は、昨年度の成果に引き続き、下記の作業を行った。 1)47都道府県のうち33道府県について、既に誕生した、もしくは合併計画進行中の新自治体について、合併の経緯(自治体の組み合わせ)、合併のタイプ(都市圏型、連携型など)、新しい自治体の人口・面積、組織体制、庁舎の方式について調査し資料を作成した。 2)3大都市圏周辺圏のうちから静岡県、地方圏のうちから北海道・福岡県・長崎県を選び、既に誕生した新自治体、構想段階の新自治体について、その地域システムは、実際の住民の通勤通学行動圏・購買行動圏・受療行動圏、広域市町村圏・一部事務組合などの広域行政システムとどのような整合関係にあるかを検討した。 3)静岡県を事例にして、新自治体のうちから、本庁方式、分庁方式を一つずつ選び、合併後の業務方式・公共サービスの提供方式を調査して、合併後の地域システムの再編成のされ方(地域内連結関係、公共サービス格差、経済的影響)を検討した。 その結果、庁舎の方式が、新自治体の地域システムの骨格をなしており、本庁方式は地域システムとしては階層的で効率的であるが、公共サービスとともに地元地域への経済的波及効果の点で地域内格差が生じやすいこと、分庁方式(分都型合併)は地域システムとしては非階層的で地域内格差が生じにくいが、行政効率の点で、さらに災害時の対応には問題があることが判明した。総合支所方式は地域システムの点では前2者の中間型と言えるが、行政の効率化という点では合併効果が小さいことが判明した。
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