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2005 年度 実績報告書

東アフリカ牧畜社会における実践空間の認識と地図表象化:ディジタル解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 15520513
研究機関東京外国語大学

研究代表者

河合 香吏  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (50293585)

キーワード地理情報システム(GIS) / 東アフリカ牧畜民 / ドドス / 認知地図 / 表象化 / 空間認識 / 集団間関係 / レイディング
研究概要

本研究は東アフリカ・ウガンダ共和国に住む牧畜民ドドスの人びとが自らの生活する土地を描いた認知地図を基礎資料として、地理空間の認知とその表象化の過程をGIS(地理情報システム)、GSP(氾地球測位システム)等のディジタル化による情報処理の手法を援用して解析し、実践空間としての土地をめぐる「知」の構築機序を文化人類学的に解明することを目指すものであった。
最終年度にあたる本年度は、これまでの二年間に解析してきた情報データをおもに用いて、引き続きGISのデータ解析を進めるとともに、その結果をもとにして、人びとの言説や儀礼の開催場所、家畜キャンプの位置や移動の経路等の言語、社会的、行動的なデータを加えて解析し、調査対象であったドドスの人びとの地理空間の認知の特異性、および「地図が描ける」ことや「読めること」の生成基盤について以下の可能性を検討した。
ドドスの人びとが三次元的な物理空間(地理空間)を二次元の認知地図として描くことができることの評価として、次の一点が挙げられる。すなわち、ドドスの描く地図は、通常、地図化の作業として考えられているように物理的三次元空間から次元をひとつ下げた二次元表象として平面に描かれたものでは、おそらくない。ドドスの認知空間は生活のなかで経験される一次元空間に「時間」という次元を加えた抽象空間であり、たとえていうならば、過去に身をおいた場所や通った場所を一枚一枚透明なシートに記し、そこに描かれたリニアな軌跡を重ねてできあがる二次元表象空間としてあるのではないか。ドドスの描く地図はそうした多重レイヤー空間としての認知空間が描出されたものだと考えられる。
なお、本年度に予定されていた海外調査はフィールド(ウガンダ)の政情不安等の理由にて中止した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] キャンプ移動と腸占い-ドドスにおける隣接集団との関係をめぐる社会空間の生成機序2006

    • 著者名/発表者名
      河合 香吏
    • 雑誌名

      社会空間の人類学-マテリアリティ・主体・モダニティ(西井凉子・田邊繁治編)

      ページ: 175-202

  • [雑誌論文] ドドスの家畜キャンプ移動をめぐる行為選択と隣接集団

    • 著者名/発表者名
      河合 香吏
    • 雑誌名

      研究彙報(東京大学東洋文化研究所) 第13号(印刷中)

  • [雑誌論文] ヒトは暮らす

    • 著者名/発表者名
      河合 香吏
    • 雑誌名

      人類学は語る(赤堀雅幸・棚橋訓編)(北樹出版) (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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