研究課題/領域番号 |
15520517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (90299058)
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研究分担者 |
鈴木 文子 佛教大学, 文学部, 助教授 (40252887)
政岡 伸洋 東北学院大学, 文学部, 助教授 (60352085)
島村 恭則 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (10311135)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 在日朝鮮半島系住民 / 地方地域社会 / 民族間関係 / 流動性 / マイノリティ / 生活世界 / ネットワーク / 生の技芸 |
研究概要 |
本研究は、日本に居住する朝鮮半島系住民、その中でもこれまで看過されがちであった地方在住者に関し、その生活史、生活実態、地方地域社会との関係、他地域の朝鮮半島系住民との関係についての文化人類学的、民族学的研究調査である。主な調査地は、福岡市、下関市、鳥取県境港市、鳥取市、神戸市、富山市、岐阜県飛騨市、秋田県、仙台市といった、これまでの民族誌的資料が十分とは言えない地域の差異日朝鮮半局系住民について調査、研究を行った。 調査研究の方法として、研究分担者はそれぞれの担当地域における在日朝鮮半島系住民について、その生活実態および地域社会について、研究期間を通し継続的に人類学的、民俗学的調査を進めるとともに、研究グループ全体で短期的な集中調査を各担当地域についておこない、調査データの多角的検討をおこなった。 本研究の成果は、そのような民族誌的資料の空白を埋めるだけでなく、在日朝鮮半島系住民の生活世界、地方地域社会における生活世界、日本人住民との相互関係、さらには、地域を越えた移動と流動性を支えるネットワークを実証的な資料から明らかにした点にある。すなわち、在日朝鮮半島系住民がそれぞれの地方地域社会日本人住民と相互関係をとり結び、多様な生活世界を構築している状況が明らかになった。これは、「在日韓国・朝鮮人」として一様に取り扱う傾向が見られた先行研究に対し、地方地域社会に定住する在日朝鮮半島系の多様な生活世界の有り様を新たに提示したものである。また、具体的資料に基づき、朝鮮半島系住民のもつ独自のネットワークと、これに沿った移動の状況を明らかにした。地方中小都市にあるネットワークの結節点としての定住朝鮮半島系住民が、東京・大阪などの大都市から地方の中小都市へ、あるいは韓国・中国から地方中小都市への直接的な「越境」、地方中小都市からの大都市への移住など、かれらの高い流動性をささえており、日本における朝鮮半島系住民の移動、定着、流動性の様態が明らかになった。
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