研究概要 |
本年度は9月18日より9月27日にかけて出国し、フランスにおいて資料収集にあたった。パリのBibliotheque National de Franceにおいて、ニューヘブリデス(現ヴァヌアツ共和国)の英仏共同統治政府の発行の資料、および、フランス海外科学技術研究機構(ORSTOM)の報告書などの検索・調査を行った。 具体的には、英仏共同統治政府が発行していたAnglo-French Condominium Colonial ReportsやJournal Official des Nouvelles-Hebridesの検索を挙げることが出来る。これらによって、太平洋戦争前後のニューヘブリデスの状況、さらには、その後1970年あたりまでのニューヘブリデスの状況を把握することができた。申請者は、1974年に初めてニューヘブリデスを訪れフィールドワークを開始したので、それ以降の状況は把握できたが、太平洋戦争前後からそこまでの様子が、これで理解できるようになった。 さらに、ORSTOMの報告書であるBonnemaison, J著のSystem de Migration et Croissance Urbane a Port-Vila et Luganville(Nouvelle-Hebrides)を調べることが出来たことも大きな収穫であった。この報告書は、ニューヘブリデスの二つの都市部であるポートヴィラとルガンヴィルについて、人々の移住や都市の成立、民族構成などを比較検討したもので、特にルガンヴィルの移住や民族構成について貴重な資料を提供している。 国内においては、日本のオセアニア研究者と研究打合せを行った。
|