本年度は、昨年度まで実施したアメリカ国立公文書館の文献調査以外に、公文書で確認できたGHQ、およびThe Oversee of Strategic Services (OSS)、およびOffice of War Information (OWI)で勤務していた日系アメリカ人を訪ねて、ハワイとロサンゼルスで調査を行った。GHQの調査の系譜をたどると、日系アメリカ人収容所での日本人調査、OSSとOWIでの調査、戦後の戦略爆撃調査団、そしてGHQと継承されていることが判明した。 ハワイでは、Office of War Informationで勤務をしていたトシオ・ヤツシロ氏へのインタビューができた。ヤツシロは、戦後、ハワイ大学のEast West Centerで人類学の教授をしており、戦前からの研究の延長として、日系人研究をしていた。ヤツシロは、アメリカの社会科学の調査団である戦略爆撃調査団の一員として1945年に来日したので、戦前と戦後の連続性が明らかとなった。 ロサンゼルスでは、全米日系アメリカ人博物館を中心に資料調査をした。ここでも、戦前に日系人キャンプで調査をしていた日系人のジョージ・ヤマグチにインタビューをして、戦時中の日系人キャンプの調査、および戦後のGHQの勤務について聞き取りをした。
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