研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、近代化にともなう文化の変容を、近代日本の「身装-身体と装い-」画像の態様を中心に解明し、関連画像のディジタルアーカイブ化を目指すことである。対象とする期間は、1868年〜1945年であり、この期間は、和装生活と洋装生活がせめぎあい、現代の日本人の衣生活が定着するまでの試練の時であった。対象の中心となる画像は、人がある情景のなかで装っている画像である。まずは、画像選択基準を明らかにするために、文化変容にかかわる重要主題を、画像資料と文字資料とを分析することにより抽出した。つぎに抽出された重要主題にそって、約2万枚の画像を選択、描かれた事柄の事実関係および信憑性について論議し、重要主題の概念の検証・修正を行った。重要主題の概念の確定したものは、検索キーとして、統制された検索概念表である<身装画像概念コード表2003>に反映させた。さらに、本表の有用性を証明するために、約200件の画像を対象として身装画像データベースのプロトタイプを作成した。また、並行して作成していた近代日本の身装電子年表のプロトタイプを、身装画像データベースへの時系列からの入り口として有効かどうかを検証した。加えて、すでにインターネット上で公開している服装雑誌記事データベース(「服装・身装文化データベース」<http://www.minpaku.ac.jp>に含まれる)とのリンクもはかり、既存のデータベースとの関連性についても検証した。一方、重要主題について論議を深めることにより、当該期間の文化論研究あるいは歴史研究への拡がりをみせ、その成果は、著書『近代日本の身装文化-身体と装いの文化変容-』(三元社2005年12月)において記している。その結果、近代日本における各年の人々の、さらに具体的な着装状況を把握することの重要性を認識し、平成18年度からは、身装電子年表のプロトタイプの充実をはかり、身装をとりまく情景や社会的環境の記述も含めて、画像を伴う近代日本の身装電子年表の作成を計画している。
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大阪樟蔭女子大学(学芸学部)論集 42
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アート・ドキュメンテーション研究 12
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人文科学とコンピュータ 2005-CH-67
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Osaka Shoin Women's University, Faculty of Liberal Arts, Collected Essays 42
The Bulletin of Japan Art Documentation Society 12
IPSJ SIG Technical Report 2005-CH-67
アート・ドキュメンテーション研究 11
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大阪樟蔭女子大学(学芸学部)論集 41
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The Bulletin of Japan Art Documentation Society 11
Osaka Shoin Women's University, Faculty of Liberal Arts, Collected Essays 41
人文科学とコンピューターシンポジウム論文集 2003
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IPSJ Symposium Series 2003-14