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2004 年度 実績報告書

高齢化社会における隠居と定年をめぐる民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15520532
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

関沢 まゆみ  国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (00311134)

キーワード定年後 / 定年退職者 / 社会的定年 / 自然的定年 / サラリーマン / 都市部 / 農村部 / 生活比較
研究概要

高齢者の定年後の生活の充実には,仕事,趣味,ボランティアという3つの選択肢があることを先に指摘したが(拙著『隠居と定年-老いの民俗学的考察-』臨川書店、2003年)、今年度は、農村と都市とのそれぞれの社会におけるサラリーマンの定年後の生活の充実への努力をめぐる情報収集を重点的に行った。
定年退職者を読者層として想定する雑誌『日経Masters』(日経BP社)の記事や自分自身のフィールドワークから都市のサラリーマンの定年後の関心についての分析を行った。その結果、定年にはいわゆる会社の定年退職をさす「社会的定年」と健康の喪失、身体的衰退による「自然的定年」とも呼ぶべき2段階があり、社会的定年後、自然的定年を迎えるまでの間の「生き方」の事例情報を紹介している雑誌記事が多数を占めることが指摘できた。つまり身体的な衰退後の深刻な老後の不安についてなど老いの負の面についての情報収集は雑誌という媒体においては不十分であるということが確認された。また、農村と都市とのサラリーマンの定年後の生活比較についてのフィールドデータによれば、農村のいわゆる旧住民の場合には定年後、個人的な趣味などによって内面的充実をはかるだけでなく、地域社会における寺社の総代など神仏に関わる役割を期待されているのが特徴的であるのに対して、都市のいわゆる新住民の場合には個人的な趣味や関心によって多様な生活をつくり直す傾向性が認められる、というようにそれぞれの特徴が抽出された。今後さらに都市部、農村部のフィールドデータを蓄積して多様な定年後のあり方を追跡していく予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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