平成17年度は、まず10月に、"Liste des hommes de la marechaussee en Haute-Normandie (1720-1750)"として昨年度公刊したマレショーセの隊員名簿の分析を、「18世紀前半におけるオート=ノルマンディー地方のマレショーセ隊員(1720〜1750年)」と題して関西フランス史研究会で発表した。同じく10月には、マレショーセの将校及び裁判役人に関するアプローチを、「アンシァン・レジーム期の国王役人の実像-18世紀前半オート=ノルマンディー地方のマレショーセの事例から-」と題して九州西洋史学会主催のシンポジウムで報告した。11月には10月に関西フランス史研究会で行った報告とほぼ同じ内容の報告を「軍隊と社会の歴史」研究会で発表し、軍事制度史の専門家のアドバイスを聞いた。さらに、12月には近世フランス史研究会で、マレショーセの地方警察としての役割を明らかにすべく、「地域住民とマレショーセ-住民の保護者あるいは抑圧者?-」と題して報告した。これら3つの論考はできるだけ早く学会誌に投稿する予定である。 上述の研究の他、今年度は、マレショーセの成員の職務、俸給・特権、就任条件・手続、勤務内容などに関する史料「マレショーセの職務に関する通達」(陸軍歴史課古文書館所蔵、4巻)の筆写・訳出を進める予定であったが、秋の4つの学会・研究会報告の準備等で現地に赴くことができず、すでに筆写している分を訳出するに留まった。また、予定していた1720年のマレショーセ改革に関する諸王令の訳出・紹介も公刊するには至らなかった。
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